ニュウマン高輪「割烹BUTAI」特別内覧会レポート – 高輪ゲートウェイシティの新たな食文化拠点

グルメ

はじめに

2025年9月12日、高輪ゲートウェイ駅直結の「NEWoMan TAKANAWA」がグランドオープンを控え、八芳園にご招待いただき特別内覧会に参加する機会を得ることができました。八芳園は同施設の最上階LUFTBAUM 29階に誕生した「割烹BUTAI」を手掛けておられます。

高輪ゲートウェイシティ – 未来都市への建築的挑戦

TAKANAWA GATEWAY CITYは、JR東日本が主導する大規模再開発プロジェクトの一環として誕生しました。「Global Gateway」をコンセプトに、日本と世界を結ぶ国際交流拠点として機能することを目指しています。総敷地面積約9.5ヘクタールという東京都心部では類を見ない規模での開発となっています。

文化創造棟については、建築界の巨匠である隈研吾建築都市設計事務所が外装デザインを担当し、2026年春の開館予定で「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」として生まれ変わる予定です。らせん状の特徴的な外装デザインが、この新しい街のランドマークとなることは間違いありません。

LUFTBAUM – 空中に浮かぶ庭園の建築美

LUFTBAUM(ルフトバウム)は、ドイツ語で「空中の木」を意味する名前の通り、高層階に緑豊かな空間を創出した革新的な試みです。28階・29階の2フロア構成で、世界でも類を見ない高層階植栽空間を実現しています。

音響設計には株式会社UNION SOUND SYSTEMが参画し、料理、造園、音響界の職人たちが”共創”した唯一無二の空間が誕生しています。自然豊かな植物と開放的な空気、そして圧倒的な眺望の中で体感する新しいサウンド体験は、従来の商業施設の概念を大きく覆すものです。

割烹BUTAI – 江戸文化を現代に蘇らせる空間設計

素材選択の美学

カウンター席のテーブルには、岩手県産の栗材を一枚板で使用しています。栗の木が一枚板になるほど大きく育つことは非常に珍しく、この貴重な素材を使用することで、日本の木材文化への敬意を表現しています。

壁面には、京都で生まれ古くから茶室や歴史的建造物に使われてきた聚楽壁風の仕上げを採用しています。この選択により、BUTAIが持つ和の趣と静かで落ち着いた風情を空間全体に漂わせています。

食体験レポート – 江戸文化の現代的表現

今回の特別内覧会では、BUTAIが提供する「江戸」をテーマにした料理の数々を実際に味わう機会を得ました。料理長による厳選された食材の説明から始まり、全国から集められた旬の食材—鮪、鯛、鱧、きのこ、新蓮根—が料理人の技によって美しい料理へと昇華される様子を目の当たりにしました。

BUTAIでは、日本の美意識を表現した店のしつらえを「演劇におけるセット」、料理を「演目」、料理人やサービススタッフを「演者」として位置づけ、お客様を「観客」として迎え入れています。この発想は、建築空間と料理体験を一体化した新しいコンセプトとして注目に値します。

特に印象的だったのは、29階からの美しい夜景を背景に展開される料理の演出でした。東京湾から皇居方面まで見渡せる圧倒的な眺望と、江戸前の新鮮な魚介を使った料理が織りなすハーモニーは、まさに現代の江戸文化の表現といえるでしょう。

高輪ゲートウェイ駅 – 建築の視点から

高輪ゲートウェイ駅は、2020年に山手線では49年ぶりとなる新駅として開業しました。駅の設計は、隈研吾建築都市設計事務所が手掛け、折り紙をモチーフにした大屋根が特徴的です。

駅舎の設計では、日本の伝統的な建築手法である木材と現代的な技術を融合させており、和のおもてなしの心を表現しています。大きなガラス面により自然光を豊富に取り入れ、開放的で明るい空間を実現しています。

まとめ – 建築が創造する新しい食文化

今回の特別内覧会を通じて、NEWoMan TAKANAWAと割烹BUTAIは、単なる商業施設や飲食店を超えた、建築と文化の融合による新しい価値創造の場であることを強く実感しました。

特にBUTAIにおける「伝統とモダンの融合」は、日本の建築文化の持つ可能性を示す好例といえます。間仕切りの文化、素材へのこだわり、そして空間演出の技法は、現代建築においても十分に通用する普遍的な美学を持っています。

高輪ゲートウェイシティという未来都市の中に位置するNEWoMan TAKANAWAは、東京の新しいランドマークとして、そして日本の食文化と建築文化を世界に発信する拠点として、今後ますます注目を集めることになるでしょう。

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