文化財

群馬

碓氷峠の赤き宝石「めがね橋」〜明治時代の鉄道遺産が語る土木建築の傑作〜

群馬県安中市と長野県軽井沢の県境に位置する碓氷峠。そこに時代を超えて聳え立つ一つの橋がある。通称「めがね橋」と呼ばれる碓氷第三橋梁。レンガ造りの雄大なアーチが織りなす幾何学模様は、明治の土木技術者たちが山岳地帯という難所に挑んだ証である。訪...
長野

軽井沢のアントニン・レイモンド建築を巡る〜モダニズムの巨匠が遺した二つの傑作

長野県軽井沢町、浅間山の麓に広がる避暑地。この地には、フランク・ロイド・ライトの弟子にして、日本のモダニズム建築の開拓者であるアントニン・レイモンド(Antonin Raymond)が手がけた傑作建築が二つ佇んでいる。軽井沢聖パウロカトリッ...
神奈川

鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム見学記 – 日本初の公立近代美術館が重要文化財として蘇る

鎌倉の象徴である鶴岡八幡宮の境内、平家池の畔に一際モダンな建築が佇んでいる。鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム、かつて神奈川県立近代美術館鎌倉館として日本の美術史に大きな足跡を残した建物である。戦後日本のモダニズム建築を代表するこの名建築は、20...
神奈川

若宮大路に残る昭和の商店建築 – 湯浅物産館と三河屋本店が語る鎌倉の近代

鎌倉駅から鶴岡八幡宮へと続く若宮大路。古都の中心を貫くこの通りを歩く観光客の多くは、中世の寺社仏閣に目を向ける。しかし足を止めて周囲に視線を移せば、道の両側には昭和初期に建てられた商店建築が今も静かに営業を続けている。今回訪れた湯浅物産館と...
神奈川

旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)見学記 – 江戸後期の民家が辿った数奇な運命

鎌倉市雪ノ下、鶴岡八幡宮にほど近い谷戸の高台に、特別な一軒の建物が佇んでいる。旧川喜多邸別邸、通称「旧和辻邸」。年に数回だけ一般公開されるこの建物は、江戸後期から続く民家が、哲学者の住まいを経て、国際的な映画人たちのサロンとなった、まさに日...
岐阜

禅の聖地から世界遺産へ 〜永平寺と白川郷合掌造りを巡る建築の旅〜

初秋の福井から岐阜へ。今回は曹洞宗の大本山・永平寺と、世界遺産の白川郷合掌造り集落を訪ねました。禅宗建築の粋と日本の伝統民家、二つの異なる建築様式を一日で巡る旅。歴史を重ねた木造建築が見せる、日本建築の奥深さに触れる旅となりました。永平寺 ...
自然

世界遺産・屋久島で巡る樹齢千年の建築素材 〜江戸の名建築を支えた屋久杉の森〜

「1か月で35日雨が降る」と言われる屋久島。この言葉に少々の不安を抱えながら訪れた今回の旅だったが、幸運にも快晴に恵まれた。標高1,300mの原生林を目指すハイキングは、建築に携わる者として、かつて日本の名建築を支えた貴重な木材資源の源泉を...
山梨

富士山麓の建築遺産と自然の造形を巡る旅 〜新倉山浅間神社・忠霊塔・富岳風穴〜

秋晴れの山梨へ、富士山の麓に点在する建築と自然の造形美を求めて足を運びました。今回訪れたのは、世界文化遺産の構成資産である忍野八海、世界中から観光客が訪れる新倉山浅間神社と忠霊塔、そして富士山の噴火が生み出した天然記念物・富岳風穴です。忍野...
愛媛

しまなみ海道の建築遺産を訪ねて 〜隈研吾設計の展望台から重要文化財の神社建築まで〜

青い空と瀬戸内海が織りなす多島美を眺めながら、今日はしまなみ海道を走り、建築と歴史が交錯する特別な場所を訪ねる旅に出かけました。愛媛県今治市を起点に、現代建築の傑作から室町時代の神社建築まで、時代を超えた建造物たちに出会う一日です。隈研吾が...
愛媛

旧別子銅山東平地区 – 東洋のマチュピチュと呼ばれる産業遺産の建築を訪ねて

愛媛県新居浜市の標高約750mの山中に、「東洋のマチュピチュ」と称される産業遺産が静かに佇んでいます。旧別子銅山東平(とうなる)地区です。霧に包まれた山の斜面に連なる巨大なコンクリート構造物は、かつて日本の近代化を支えた銅山の栄華を今に伝え...